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イキ狂う敏腕社長秘書
第11章 【静かに狂い咲くように】
遠い意識の中で「俺だけの美雨だよ」と揺さぶられていた気がする。
長い3回目の挿入は記憶がない。
目覚めると夜中で抱き締められ眠っていた。
しばらく此処には来ない方が良いかも。
毎回こうだとさすがに私も壊れてしまう。
壊したくて仕方ないんだろうけど。
そっとベットを降りて下着を身に着けた。
暗証番号のドアだから出て行くだけで施錠が掛かるので助かる。
帰りのタクシー内で先に帰る旨をメールで送った。
AM2:15。
自分の部屋に着いて雪崩れるようにベットに身を沈めた。
下半身がだる重い……社長のがまだ挿入ってる感覚がある。
それでも数時間後にはキリッとした顔でお互い挨拶を交わすんだから、その辺は大人の関係だよね。
2人きりのエレベーター内で。
「起きて居ないのは寂しかった」
「申し訳ありません」
「……怒ってるの?」
「いえ、何も」
「美雨の誕生日だから……部屋の暗証番号」
「そうなんですね」
「だから、いつでも来て」
社長室のあるフロアに到着した為、寄せてきていた身体を離した。
先に降りて扉を手で止める。
「考えておきますね」
いつものキラースマイルで乗り切った。
珈琲をお持ちしても機嫌を取ってくる。
そんな日があっても良いじゃない。
社長に気を遣わせるのは秘書失格なのかも知れないけど、男女の関係が関わってくればそうもなる。
万が一、社内でバレれば辞職すると伝えてある。
それは明里さんにも、だ。
そうならないようにあれこれ阻止してきそうだけど。
根回しも半端ないからな、明里さんは。
「何考えてるの?」
不安そうに覗き込む顔。
時に仔犬のような目で見つめてくるから適当にあしらえなくなる。
「毎回あんな激しいとちょっと会うの無理……」
「えっ?ごめん、もうしない、えっと……適度に!だから会わないとか言わないで」
この慌てよう………本当に億単位を動かしている敏腕社長と同一人物なのだろうか。
そのギャップぶりがやっぱり素敵に思えて手放したくないのは私の方かも。