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イキ狂う敏腕社長秘書
第11章 【静かに狂い咲くように】





真っ直ぐ見上げる瞳に縋り付いてください。




「そういう顔、私以外に見せないでくださいね?」




「え…?うん」




ニッコリ微笑むと安心した様子。
「また来てくれる?」と何度も聞かないで。
気が向いたら行きます……なんて言ったらまた面倒くさい事になりそうだから、チュッと一瞬だけのキスで黙らせる。




「午後の会議資料です」




「ん?あぁ……」




それ以上は何も答えず社長室を後にする。
携帯にメッセージが入り確認したら小さくほくそ笑む。




やっと来た。
もう限界なの?可愛いね。




先方を車までお送りし、社内へ戻る時。
仁王立ちで警備している彼に2人だけがわかる合図、アイコンタクト。
目が合って2秒。




休憩時間に見るであろう携帯にこっそり送っておいたメッセージ。




(会えるよ)




たった一言で胸を躍らせてくれたら嬉しい。




いつものように定時で終わらせて社長より先に失礼する。
先約があると伝えたらシュン…としていたがお友達だと思わせているから詮索してくる事もなくスムーズに退社出来た。




彼氏である一ノ瀬拓斗は自分の出した企画が通って連日残業という忙しさ。
意外とマメで(今日も遅くなるからごめんな…)と毎日休憩の合間にメッセージを送ってくる。




時々会議等で顔を合わすから周りにバレない程度のアイコンタクトは交わせてるけどね。
(お疲れさま、体調気を付けてね)と送った後で待ち合わせ場所へと足を運ぶ。




まさかまさか…な展開にはなりたくないのでなるべく私の家には連れて行きたくないんだけど。
少し離れたホテルでも良いか…と思っていたが姿を見せた彼から意外な提案。




「あの、今日はもし良ければなんですけど……僕の家に来ませんか?ご飯作ります!って言っても男飯ですけど」




え、良いの?むしろ有り難い。
一人暮らしの年下くんの家に行けるだけでなくご飯までおもてなしされるなんて。




「えっと……嬉しい、お邪魔しちゃって良いのかな」




「はい!ていうか、来て欲しいです」




外はもう薄暗いのに真っ赤なのがわかる。
初々しい彼にどんどん惹かれていってしまう。
私を見る真っ直ぐな目が優しさで溢れている。










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