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イキ狂う敏腕社長秘書
第11章 【静かに狂い咲くように】
頬を包み額を預けてきた。
頭の中の整理をしているのだろうか。
擦り寄せてきて首を振る。
「嫌だ……セフレも嫌だし他の男の元に行かせるのも嫌だ…!俺にしろよ……誰にも渡したくない、傍に居てくれよ……俺から離れるな…!」
取り乱すなんてらしくないですね。
でもそんな姿も見せてくれるなんて嬉しいです。
「ずっと傍に居るのは無理かも知れませんが…こうして会うのは続けませんか?課長の次の相手が決まるまでで構いません」
「バカ……そんなのあるわけ無いだろ、俺には美雨だけなんだよ!マジでセフレじゃなくてちゃんと付き合おう?彼氏と別れてくれよ」
「出来ません……」
「何で!?その彼氏にも悪いとは思わないのかよ」
「どちらかを選べと言われたら私は彼氏を取ります……」
「何で………何でだよ」
わかんない……わかんないけどあなたを選ぶ事はない。
それだけは事実なの。
嗚呼………またひとり泣かせてしまった。
「課長が好きです……でもそれは永遠じゃなくて」
「永遠にしてみせるから…!俺と向き合ってくれよ……頼むから」
熱い吐息混じりの嗚咽。
私を離そうとしない腕の中で震える課長は鎖骨から上に唇を這わせてきた。
まだ納得してない様子で愛撫してくる。
「美雨……俺の女になってよ……俺だけの」
近い顔………濡れた瞳。
拒まなければならない。
弱々しい目で見つめないで欲しいんだけど課長の私を呼ぶ声が鼓膜に貼り付いて動けなくする。
遠慮がちに重なった唇は舌が絡まった瞬間に激しさを増していく。
壁に押さえつけられて顎にまで唾液が垂れ落ちてしまうほどの動きで翻弄してくる。
再びボタンに手がいって脱がせようとする手を止めた。
「ハァハァ……ダメ」
「今日は帰したくない、何処にも」
「お願い、今夜は課長に抱いて欲しくないの」
「俺の事好きなんだろ!?」
「傷付けたくない」
「もう充分傷付いてるよ…!」
ボタンを一気に外され胸元が開けた。
薄暗くてもはっきりとわかる赤い印。
ブラジャーを着けていてもあちこちに散らばるキスマーク。
それを見て固まる課長の目は見れない。