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夏の終わりに
第3章 再会
駅舎の正面までフィガロを進める勇気がなくて、浩人は千里の五メートルほど手前で車を止めた。

千里は四年前と変わっていなかった。変わらず浩人の心を掻き乱し悩ませる。


まずいな……

これじゃあ、何も反省出来ていないのと同じじゃないか。


浩人は体の奥から沸き上がる衝動を諌めた。
罪の意識より欲望が勝っているなど許されることではない。

ちぃがどれだけ魅力的かなど考えるのは止めよう。
考えなければならないのは自分がしたことと、これからのことだ。

母さんと千穂さんが帰って来るまで俺と顔を合わせるのを許してもらい、家に連れて帰り……




……で、どうしたらいいんだ?


浩人はフロントガラス越しに千里を見つめた。

千里はじっと浩人を見つめているようだったが焦点は定まらず、何を考え思っているのか窺い知ることは出来ない。
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