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夏の終わりに
第3章 再会
浩人が見ている前で、千里は踵を返して駅舎の中へと消えていった。

俺だって気づいた…から?


浩人はハンドルに項垂れて重く息を吐き出した。

覚悟していたつもりでも千里に拒絶されるのは苦しく、それを受け入れるのは想像以上に堪えられない。

けど……




受け入れるしかないのだ。

どんなに受け入れたくないのだとしても……。


浩人は駅舎の中にある、照り返す太陽の光が作る影を見つめた。


ちぃは……免許持ってるかな。


ドアロックを開けて熱気の立ち込める外へと足を踏み出す。
千里が自分と一緒にいたくないと結論づけたのならどんなに辛くとも従うが、千里を一人残して帰るつもりはなかった。
もし千里が車を運転できるのなら、フィガロを貸そうと浩人は考えたのだ。

財布を持ってきていないが、千里を置いて帰ることに比べたら問題ではなかった。
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