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BeLoved.
第42章 【紳士なんかじゃない】
──違う、そんなのありえない。
戸惑って、混乱してるだけだから…!
「すげーかわいい」
ムカつくけど。と吐き捨てられた物騒な一言とは裏腹に、彼が与えてくれたのは頬への優しいキスだった。
「未結、ほら」
「っ、あ…」
取られたのは…わたしの『左手』。導かれた先は、いつの間にか姿を現していた流星さまの分身。それは固く反り勃って…握らされた掌から力強い脈打ちを伝える。
「──流星、ゴム」
「あーやっぱ付けなきゃダメ?」
「ボンクラ。当たり前だろ」
秘部から顔を離した麗さまが、濡れた唇を舐めながら静かに釘を刺した。言葉よりも、視線で。
対して流星さまはごく軽い口調。わーったよ、とポケットをまさぐった彼は…避妊具(本当に携帯より携帯してるのね…)を取り出すとわたしの目の前で封を開けた。でも…なんで?
「触って、未結」
「…っ」
再び握らされた彼のそれは避妊具を着けられて。それでも、昂りと脈打ちは変わらなくて。
流星さまはわたしの手に自分の手を重ねると、そのまま上下に動かし始めた。──いつかみたく。
『左手だけ』その意味が理解った瞬間だった。自ずと避妊具を装着した理由も、麗さまが口にした『この貸しはでかい』の意味も。
「あー…やっぱ未結の手いーわ。あったけー…」
「んん…」
艶を纏う低い囁きと共に耳介を舌先がなぞる。硬質な髪が肌をくすぐる。背筋をぞくりとさせた直後だった。
「──あ!」
全身が跳ねた。
「んっ、ゃだっ…、れぃ…そぇ…っやらあぁ…っ」
力が抜け呂律も回らなくなっていく。だって、熱でじわじわと嬲り続けた秘部の突起。麗さまがそこに唇を充て…吸いついたから。
決して強い力じゃない。だけど…愛撫され、しとどに濡れ、柔らかく…敏感過ぎるほど敏感になったそこには…強い快楽でしかなくて。
しかもそれは波紋みたく広がって。理性も、羞恥心も…ううん、もう…全てを飲み込み、溶かしていく。
「やあぁんっ!あっ…、ふぁっ…ああんっ」
はしたない嬌声とだらしない愛液が収まらない。
びくびくと小刻みに揺れる全身の震えも。
「未結、エロすぎ…」
背後の彼が耳元で囁く。荒い呼吸に混じえて。
…興奮してる。それを手の中の彼が証明する。
「…ほら、もっと。扱いて」
「あ…」
請われるまま、わたしは左手を上下させた。