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BeLoved.
第42章 【紳士なんかじゃない】
「え?未結おまえ起きてたの?いや気付かなかったわー」
…どの口がそんな白々しい台詞を吐くのか。
わたしを胸に寄りかからせたまま、白濁で満たされた避妊具の端をきつく縛り付ける流星さまを恨みがましく見上げた。
「そんな顔しないの、未結ちゃん」
窘めてきた麗さまにも、むくれた表情を向けてしまう。彼は上体を起こしながら濡れた唇を薬指で拭い、仕舞いに指先を啄む。そこに付着したものを、最後の一雫まで味わう様に。
「〰だって!おふたりともあんな…っ」
悪ふざけにも程がある。狸寝入りって気付いてたくせに、気付いてないふりして。確かにご主人さまを待たせ、寝入ってしまったわたしも悪いけど…それにしたって、ふたりがかりで…あんなこと。
「しっかりイッてたじゃん。俺と一緒に」
「〰そそっそれは!…そう…です…けど…」
同時に与えられた口淫とキスは、あまりに刺激が強くて。
秘部と咥内を犯す舌が熱く絡みつくまま…達してしまったのだ。──左手の中の彼と、同時に。
脱力しきった身体は鉛のように重く、少し時間が経った今もわたしは流星さまに凭れかかったまま動けない。
つまり体勢はさっきまで陥っていた痴態のまま。否が応でもその時の光景や感触…疼き、が思い起こされて。だめだ、もっともっと抗議したいのに頭が回らな…
「さっ…3人で…する、趣味…ないって…!」
咄嗟に飛び出したのは、過去に言われた言葉。
「ねーよ」
「ないよ」
そして返されたのはこの即答。なんなのこの人たち…
「だから最後までしてねーじゃん。正直やばかったけど」
「うん、この部屋思った以上にやばいね。俺らには危険」
「……」
まただ。わたしの自室であるこの部屋は、当然わたしの匂いで満たされている。彼らはそれが危険だという。
理性を失うどころか…気が狂れそうになると。…よくわからないけど。
「ていうか…腹いせかな」
「はは。麗、それだわ」
「…?」
麗さまの呟きに流星さまも苦笑混じりに頷いた。
…やっぱりこの人たちはよくわからない。
「おい流星、K区の物件俺のな」
「は?あれか?馬鹿じゃねーのやんねーよ」
「馬鹿はテメーだよ。左手以上の事したろ」
「マジかよ…。ったく小っせーな、クソッタ麗」
すっかり『男の子』に戻った彼らを傍目にしながら。わたしはわたしの中で未だに燻る『疼き』を…消せずにいたのだった。