この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
BeLoved.
第43章 【彼の根底にあるもの。1】

「おまえ、鼻水ひっでーぞ」



熱くなった顔の中心に、ひんやりしたものが当てられた。ウェットティッシュだ。

鼻水と涙でぐっちゃぐちゃになったわたしの顔。流星さまは苦笑しながらそれを全部拭い去ってくれた。

「──って、俺のせいか。ごめんな」
「りっ…りうれぇっ……、ぁらひ…っ」
「何言ってるかわかんねーよ」

無理して喋んなくていい。頭を撫でてくれながら、彼は言葉を続けてくれた。

「…俺さ、未結のそーゆーとこが好きんなったんだわ」
「…ぶぇっ?」


喜びも怒りも哀しみも楽しみも、何もかもとてもわかりやすくて。嘘がなくて、裏がなくて、呆れるくらい、素直で。
『生きている』ことを全身で表現していて。

そこにいるだけで明るく照らし包み込んでくれる、光。
それがわたしだったのだと、彼は改めて言ってくれた。


「眼中なかったんだけどなー。こんなチビ」
「ち…?!ぃおい…」
「ひどいかー?…まー確かに最初は幸とどっか重ねてたかもしんねーけど。今は違うよ。今は未結のことしか考えてないし、未結しか抱きたくねーし、抱けない」
「……」
「言ったろ。俺はセックスが好きなんじゃない、『未結』とするセックスが好きなの。未結が"生きてる"ってことを、一番実感できるから」


──見つめられる。


「幸せだよ」


それは、わたしが大好きな、彼の瞳。

さっき、無理矢理されていた時のものとは違う。
彼本来の…鋭いけれど、まっすぐで、優しい瞳。
そこにわたしだけを映して。



「愛してる」
「っ…あ…」




…返したかったのは、彼のそれと同じ言葉。
だけどそれは絶対に言ってはいけない言葉。


彼がその瞳に写しているのはわたしだけ。

でもわたしが写すのは、彼だけじゃ…ない。



「いーよ」


流星さまはそれ以上何も言わず、…わたしにも言わせず、ただ抱き締めてくれた。…全てを受け入れるように。


「俺は未結が生きてればいい」
/404ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ