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BeLoved.
第14章 【君のせい】
5月も後半を迎え徐々に暑くなって。薄着になってきたせいか最近ちょっと…体のお肉が気になってきた。全体的に…前より太くなってきたみたい。胸もきつい。
ご主人様たちはわたしに、美味しいものをたくさん与えて下さる。お菓子とかお菓子とかお菓子とか。もちろんわたしのことを思ってだから、その気持ちを無下にすることはできない。だから食べた分は、動いて消費しないと!
────────
「テレビお借りしますっ」
おうちのお仕事が一段落したある日の午後。リビングのテレビを占領し、麗さまのお姉さま、羅々さまからお借りしたダイエットエクササイズDVDを再生する。
トレーニングウェアなんて気の効いたものを持っていないわたし。今の格好はとにかく動きやすいように、タンクトップとホットパンツだ。
画面の指示に従って、飛んで跳ねて前屈して静止して…思ったよりきつい。でも楽しい!
すぐそばのベランダには、並んで手すりにもたれ、わたしを見物しながら昼食後の一服を楽しむ二人の姿。
会話が交わされているようだけど…窓ガラスは閉められているしテレビの音声もあって、彼らの声はわたしには届かなかった。
「なー麗、未結のあれ何?」
「…なんか痩せるやつ。姉ちゃん昔やってた」
「必要あんの?てか足丸出しの胸揺れまくりじゃん。…あ、やべー勃ってきた」
「バーカ。って言えねえ…無理…」
あら。立っていたはずの二人が座り込んだのが横目で見てとれた。煙草はもう吸い終わったみたいなのに。また新しく吸うのかな?
あ、違う。携帯見てるんだ。麗さまが持ってるスマホを流星さまが覗き込んでる。ほんとに彼らって…
「なに麗お前、動画撮ってんの?変態」
「何とでも言え。俺の未結可愛いもん」
「『もん』じゃねーし。お前のでもねーし」
「…流星うるせぇ、テメーのダミ声入んだろ。黙ってろボンクラ」
「…んっ?…あ、もう!」
画面からずらしたわたしの視界に入ったのは、何やら言い争っているご主人様たちの姿。声はやっぱり聞き取れない。
「またけんかしてる」
二人の喧嘩の原因。それはいつもわたし。
この時はまだそんなこと知らない。ただただ呆れのため息をついて苦笑し、こう思っていた。
「ほんとに仲良しなんだから」