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想い想われ歪なカタチ
第8章 8
私のパパの会社、オキ・コーポレーションが倒産して
もう随分経つのに、なんだか未だに信じられない。
でも、実感ならば身を持って嫌という程味わっている。

会社が倒産したその日に、無法なゴリラ共が私の屋敷にどやどやと押し入って
そこに救世主のごとく現れた、私のこよなく従順な下僕が私を助けたかと思いきや、
その下僕は今まで見たこともない横柄な態度で平然と、私に主従逆転を言い渡したのだ。
しかも、こともあろうにその下僕は、まだ状況が理解できず困惑する私を無理矢理
押し倒して好きなようにしてその挙句、私の純潔を奪ったのだ。

本当なら、弄り殺してもまだ足りないとこだけど、
まぁ なんだ その すったもんだあった事で結局
私は本心ではまだ認めてないけれど、
元々は私が主だったのに、今はその恥知らずな下僕の所有物になった屋敷に
住み込みで働くメイド・・・ということに納まっている。

そしてその、横柄で恥知らずで弄り殺してもまだ足りない下僕の名前は
言うまでも無く流牙という男だ。

その流牙―
私の居るこの部屋の主―

ということにシツコイようだけど本心ではまだ認めてないけど―

が、今、どこに居るかというと、
倒産したオキ・コーポに取って代わったように新勢力を伸ばした
muzii(ミュジィ)という会社の社長として、こんな昼間は当然、出勤して不在というわけ。

muzii(ミュジィ)自体はオキ・コーポが倒産するより数年も前に設立されていたのだけど
(それも私が知らないとこで下僕が行った勘に触る事実だ)
オキ・コーポが倒産して、その社員や施設を吸収したことで
一躍大企業に発展したからには、その忙しさは眼にも回ることだろう。
ま 私にはカンケーナイけど。
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