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熊猫彼氏。
第4章 熊猫彼氏。

「光太郎くん、オーナーにまた何か無茶振りされたら私に言って。彼女さんに知らせて止めてもらうから」
「へっ」

さて、再び舞い戻った5号室。選曲タブレットを操作していた樹里ちゃんがふいに呟いた。

「あの人彼女さんにベタ惚れらしいんだけど、今日見て確信した。彼女さん味方につけとけば安泰だよ」
「…樹里ちゃん?」

何かいつものほわほわした樹里ちゃんじゃない。目付きが心なしか鋭いような…。かわいいけど。

村上さんは彼女様にベタ惚れ(そりゃわかる)
だから、彼女様を味方につけりゃ安泰?

確かに彼女さんといるときの村上さんは…何て言うかまあ、何匹も猫被ってた気するけど。
てか今にして思えば表情からも態度からも『好き』ってのが駄々漏れだった。可愛くて仕方ないんだ。
俺と一緒じゃん!!

「私彼女さんと仲良くなれそうだし♪」

だから安心して♪と笑ってくれた樹里ちゃん。

……。

これって、村上さんからの解放宣言…だよね?
なに、なんなの?俺の彼女は女神様だったの?

更に女神は嫋やかに微笑みながら言い放った。

「だから、帰ったらパンダでえっちしよ?」


──ああ、生きててよかった…!

「うん!」力強く頷いた俺。
その表情はめちゃくちゃ晴れやかだった。
ああ、やっぱり樹里ちゃん最高。大好き。

俺の人生、順風満帆!

【熊猫彼氏。/完】→32頁へ
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