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BeLoved.【蜜月記】
第13章 そういう男。1
一通りお仕事を終えた昼下がり。
わたしは自室に篭もり、洋服選びに没頭していた。
今日は、待ちに待った楽しみな日。
親友の紫(ゆかり)と、夜に会う約束をしているのだ。
紫は高校から仲良くしている、気の置けない間柄。とはいえ、普段着で行くのはちょっと恥ずかしい。
それに、彼女に会うのはかなり久々。それなりの格好をしていきたい。
そんなこんなで手持ちの洋服を、クローゼット備え付けの鏡の前で何回も着たり脱いだりを繰り返し、悩んで悩んで選び抜いたのが…これ。おばあちゃんから譲り受けたワンピースだ。
うん!着心地もいいし、大人っぽいし、絶対いい!
──────────☙
「…本当にそれ着ていくの?未結」
「?はい!麗さま」
お仕事から帰られた麗さまが、リビングに向かいがてらわたしの部屋を訪ねてくれた(既の所で気付いたから、鏡の前でポーズをキメていたのは見られていない…はず!)
「ただいま」より先に「何その格好」と驚いた彼に、待ってましたとばかりに理由を話したら…このお言葉。そして怪訝な表情。なんでだろう??
「ほ…他にはないの?」
「他ですか?…あ、これとは迷ったんですけど…」
手にして見せたのは、色んな表情をしたクマがブリントされたシャツ。これに下は黒ボトムにしようかと迷ったんだ。
「未結ちゃん…」
呼び掛けられ、視線をシャツから彼に移したら。右手で額を覆っている。…頭痛?眩暈?心配したどちらも否定されたうえに、何故かこう誘われた。
「ちょっと…服、買いに行こうか」