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BeLoved.【蜜月記】
第13章 そういう男。1

「そう?君の仕事は好きだからなんだけど」
「仕事『は』ね…。言っとくけど難儀したのよ?彼女の好みを尊重しながら貴方好みの服にさりげなく誘導してくの。この御礼、期待していいのよね?」
「もちろん」

──通話の傍らチラリと横目で盗み見たふたりは。談笑を続けている様子。傍から見ると美男美女。画になるなぁ…。
見惚れかけてポケっとしてしまったら、通話相手の『彼』に「聞いてんのか」と咎められ。慌てて通話に意識を戻した。


「あと、神聖なフィッティングルームをラブホ代わりにしないで頂けるかしら」
「懐かしくなった?咲希恵ちゃん」
「・・・。あー、そーよ。それ。あなた、そういう男なのよね」


──さて、通話を終えて。携帯をバッグに戻しつつ、ふたりの元へ戻ろうと足を進めた。うう…やっぱり丈が短い…歩く度に裾がめくれそうで怖い。でもお待たせしてしまっているから、早めにゆっくり行こう…。


「みちくんにも宜しく伝えておいてね」
「旦那なんかもう一週間も顔見てないわよ。直接言って」
「あの…すみません…!お待たせしましたっ」

戻ってきたわたしを、ふたりは笑顔で迎えてくれた。店長さんはお礼と共に服を包んだ紙袋を手渡してくれ、麗さまはそれを…これまた自然に受け取り、空いた方の手はわたしと繋いでくれた。

「ボンクラ、なんだって?」
「えっと…4時から会議が入ったから、自分が帰ったらすぐ出掛けられるようにしといて、だそうです…」
「そう」

今夜の紫との待ち合わせ場所には、『彼』が送ってくれる約束になっている。電話の内容を伝えながらお店の出口まで辿り着くと、店長さんはまた改めて綺麗なお辞儀をしてくれた。

「またのご来店をお待ちしております」
「あっ、おっ、お世話になりました!」
「今日はありがとう、四季店長」


───────────☙


「お夕飯はカレーを作っておきますね」
「ほんと?いっっぱい作ってね」

帰宅した矢先、またお仕事に出掛ける麗さまをお見送り。
わたしの言葉に、彼のきれいなお顔は綻んだ。

「……」

優しくて、怖くて、住んでいる世界が違う人。
なのに今の彼はまるで、無邪気な男の子そのもの。

どれが本当の彼だろう?…まだ解りかねてるけど。

わたしを愛してくれて、本能に忠実で…ちょっとかわいい。

わたしの麗は、そういう男だ。
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