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BeLoved.【蜜月記】
第15章 【裏】BeLoved.

「もう半年になるのねぇ」

歯科助手としての一日を終え、更衣室で制服から私服への着替えも済ませた頃。わたし──朝比奈未結は、院長である羅々先生から声をかけられ、院長室に招き入れられた。

「おばあさまが亡くなられてから」
「あ…はい、あっという間でした」

中央に置かれたソファセットに、向かい合って腰を下ろして。先生の言葉に頷いた。


半年前、わたしは。唯一の肉親だった祖母を闘病の末に亡くし、天涯孤独になった。

通夜、葬儀、火葬、その他諸々の手続きを経て、四十九日までも終えた、今頃。実感が湧いてくる…というか、疲れが出てくる頃ではないか、と。先生は心配してくれた。

「ここでは明るくしてくれてるけど…大丈夫?」
「……」

羅々先生は、いつも優しい。
闘病中からずっと気遣ってくれて、遅刻や早退も可能な限り赦してくれて…逝ってしまった後も、忌引休暇を多めにくれた。
今だって、無理に明るく振舞っているのではと思ってくれている。本当に、感謝してもしきれない。

「…ありがとうございます。わたし、大丈夫です!」
「そう?何かあったら、遠慮なく言うのよ?」
「はい!…それじゃ、お先に失礼します」

半信半疑な様子の先生に一礼し、院長室を出て──歯科医院を後にし、家路を急いだ。


ありがとうございます、羅々先生。
だけどわたしは・・・その・・・
本当に大丈夫なんです・・・。

「た、ただいま…」

なぜなら、わたしには──・・・

「おーおかえりー」
「おかえりなさい」

家政夫さん『たち』がいるから。
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