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BeLoved.【蜜月記】
第15章 【裏】BeLoved.
家政夫さん『たち』。
そう、我が家には家政夫が ふ た り 居るのだ。
「お疲れー。風呂沸いてるよ」
「あ…ありがとうございます、流星さん…」
玄関を開けて出迎えてくれて、羽織っていた上着をそっと脱がせてくれたこの人は、流星さん。
185cmを超える長身と、真っ黒な髪と、同じくらい真っ黒で、射抜かれそうなくらい鋭い瞳をしている人だ。
「ご飯もできてるよ」
「っあ、ありがとうございます、麗さん…」
玄関横の台所から顔を出し、炊きたてのご飯とおかずの香りでわたしの腹の虫を鳴かせてくれたこの人は、麗さん。
この人も長身で…それはそれは整ったお顔をしている。黒フレーム眼鏡の奥、長い睫毛に縁取られた赤墨色の瞳は、いつも何処か冷たい。
「バーカ。風呂が先に決まってんだろヘタ麗」
「流星うるせぇ。食事はすべてに勝るんだよ」
同い年のふたりは幼馴染みだそうで…とても『仲良し』。
万事こんな感じで張り合っている。
「消毒薬の匂い、落とさしてやりてーだろ」
「ボンクラ。労働明けはまず栄養補給だよ」
・・・そしてその原因は わ た し なことが多い。
このふたりの家政夫さんたちは、有難いことにわたしのことをそれはそれは気遣い、大事にしてくれるのだ。