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BeLoved.【蜜月記】
第1章 ウォークインクローゼット
我が家は玄関を入って、すぐ右手が納戸になっている。
あ、ちがう……なんだっけ、ウォークインクローゼット?というらしい(麗さまが教えてくれた)。
壁には洋服掛けや収納棚が備え付けられて、電灯も小窓もある。
3畳ほどのこぢんまりとしたこの小部屋は、何処もかしこも広すぎて大きすぎるこの家の中で、わたしにとって居心地のいい場所『だった』。…あの日までは。
───────────☙
「ただいまー」
「えっ?!あ、おかえりなさああああ」
声の方を向いた直後。バランスを崩して倒れ込み、派手に尻もちをついてしまった。
抱えていた荷物も全て床にぶちまけて。壊れ物じゃなくて良かった…。い、いたい…
「は?!大丈夫か?何やってんだよ」
「す、すみません…」
すぐさま駆け寄ってきた声の主…流星さまは、膝をついてわたしの身体を確認してくれた。そして無事だと判断すると、安堵…というか呆れた表情で溜息をつき、一言。
「未結おまえ、鈍臭すぎ」
「ず、ずみまぜん…」
…確かにそうだけど、そこまでハッキリ言わなくても…。打ちひしがれつつ。気を付けろよな、と頭をわしゃわしゃ撫でる大きな手の優しさに、単純なわたしはほだされてしまうのだった。
「こんなとこで何してたの?掃除?」
「あ…はい!」
そう、今わたしがいるのは件の納戸…もとい、ウォークインクローゼットだ。元々置いてある物は少ないのだけれど、たまに掃除がてら整理している。
「そーいやまともに入んの初めてだわ。狭めーな」
「はは…、用事ないですもんね」
床の荷物を拾い集めるのを手伝ってくれながら、流星さまは室内をキョロキョロと見回した。その仕種がなんだか猫みたいで可愛くて。頬を緩ませてしまう。
「お帰り、早かったですね…まだお昼」
「あ、そーだ。おい未結」
急に向き直られ。何事かと思ったら…腰に手を回され、ぐいっと抱き寄せられた。
「さっき尻打ってたろ。ちょ見せてみ」
「…え、…え?!…ぅええっ?!」
あれよあれよと言う間に組み敷かれ四つん這いにされ下衣に手をかけられ…って、待って待って!!