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第1章 ウォークインクローゼット

｢だだだっ、大丈夫ですから！！｣
｢うるせーな、大人しくしろよ｣

力と強引さではこの人には敵わない。抗議も虚しく下衣は膝までずり下ろされ、下半身を晒け出す格好にさせられてしまった。…四つん這いだから、彼に向かってお尻を突き出すかたちで。
…嘘でしょ…。でも抵抗はできない。

｢ひゃっ…｣

ひんやりしたものが触れた。…彼の手だ。それは羞恥心に火照らされた肌にはやけに心地よくて。

｢…ん…っ｣

しかもその掌は形を確かめるようにゆっくりと動いて
指は柔らかさを楽しむように揉みしだいてくる。

｢あ…｣

わざと。絶対にわざと。
だけど気づいた時にはもう遅くて。

｢よかった、何もねーな。あ？｣
｢──あ！｣
｢…なー未結、何これ｣

背中に覆い被さってきた彼は、耳元で意地悪く囁いた。…とっても楽しそうに。

長くて骨張った指が触れたその場所。そこから伝わる濡れた感触。それが何なのか、誰のせいでそうなったのか。全部わかっているくせに。

｢…何でもな…っ…ゃんっ！｣

つぷ、とその指が入り込む。熱で閉じられたそこをこじ開けて。…ううん、そこから滴る蜜に、導かれて。

指の腹が内壁を擦りながら、奥を突く。かと思えば入口の辺りをくすぐるように愛撫する。不規則で、読めない動き。

｢っ、や…、ゆび…っ、やぁ…っ、やめ…｣

でもそれが、とても…気持ちよくて。
指が動く度に…中に触れる度に。くちゅん、くちゅんと蜜音は室内に響き、身体は悦んでいるのを知らしめていく。恥ずかしくて死にそうだけど…