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BeLoved.【蜜月記】
第5章 リビングはセックスをする場所ではありません!

──そして、今に至るわけで。

わたしの手を引きソファに倒れ込んだ彼は、仰向けになった自分の腹の上に跨らせる格好でわたしを乗せた。

『しよ』。何のことかなんて明白。…でも!リビングは寛ぐための場所であって、決して…その…そういうことをする場所ではありません!…しかしそれを言ったところで退くような人ではない。
その証拠が「んなもん誰が決めたんだよ」だ。

「…その…一般常識として…」

自分で言っていても今更だとは思うけど。案の定鼻で笑われてしまった。

「お利口さんなだけじゃ社長なんてやってらんねーよ?」
「っ、ん…」

掌が腿の内側に触れる。それは、さっき頭を撫でてくれた時みたいな可愛らしいものでなく…艶を含んだ愛撫。…いけない、腰の辺りがざわつき始めた。

「ほら、来いって」
「待っ…」

腕を引かれ、四つん這いにされたかと思えば。

「これ邪魔」

抗議する隙も与えず、ワンピース(着るんじゃなかった…)の裾をめくり、彼の指先は器用に下着を取り払ってしまう。そしてそのまま上体だけを起こされれば…

「ちょ…っりゅ…ぇ?え"?!」
「うーわっ、すげー。初体験」

仰向けになった彼の胸元。つまり…お顔の真ん前。
そこに腰を下ろさせられた挙句、剥き出しの……その場所を、曝け出す通り越してもはや…見せ付ける様な格好。

「ほら俺普段見下ろしてばっかじゃん、見上げることってあんまねーからさ。いや新鮮だわー」
「いやいやいやいや待ってくだサイ?!」

…なにを呑気なことを!こちらは恥ずかしすぎて死にそうなのに!しかし軽やかな口調とは正反対に、腰を捕える彼の手は重く…逃げることを許さない。

「なー未結、知ってる?猫って縄張り意識すげー強いの」
「え… …っあ」

僅かに首をもたげさせた彼は。そのまま内股に口付けた。次々に刻まれていく赤い痕。それは…独占の証。彼曰く、『マーキング』だそうだ。

「ひ…ぁっ、ゃん…っ」

…本当に、もう…。どうしてこの人はこういうことできちゃうんだろう。今までだって何度もされているこの行為が、この体勢と…『マーキング』。その一言で、今までとは違う感じ方をさせちゃうんだから。そのうえ…

「俺にこんなことできんのも、俺がこんなことすんのも」
「っ?…」
「未結だけだよ」

わたしの独占欲まで、満たしちゃうんだから。
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