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BeLoved.【蜜月記】
第7章 世界はそれを女王様と呼ぶんだぜ
──さて、無事に正しく着直した浴衣に身を包んだわたしと、それぞれ三大欲求のひとつが満たされ、とてもスッキリしたお顔の彼らは。夕食が用意されている、宿泊客専用のレストランへとやって来た。
「わあ…っ」
用意されたお食事を見た瞬間、さっきまでの暗い気持ちは一気に吹っ飛んだ。…あ、お腹も鳴った。
「派手に鳴ったね、ここまで聞こえたよ」
「やっぱすげーわかりやすい、未結」
笑われても…構わない!だって目の前には期待通りの…いや、期待以上の豪華なお食事が並んでるんだもの!
お肉に魚に野菜にお米、地元産の食材がふんだんに使われ、盛り付けも彩りもきれいで!
『料理は目で食べる』って、こういうことなんだって実感させてくれて。…あ、お腹がまた鳴った…。
「朝から頑張ったもんね、お腹すいたよね」
「んだよ。俺見る時より目キラキラしてんじゃん」
各々の反応を受けつつ着席。今日は流星さまの日なので、わたしは彼の隣だ。麗さまはその向かい。
「では…。一日目、お疲れ様でした。…いただきますっ」
「…乾杯しなくていいの?未結ちゃん」
「いんじゃね?多分もうこいつ聞こえてねーよ、麗」
挨拶もそこそこに。わたしは三大欲求のひとつにあっさり支配されてしまった。それに続き、彼らも箸を取り食べ始める(後から考えたら、ご主人様たちより先に食べ始めるなんて失礼すぎる…)。
口にするもの口にするもの、みんな美味しくて。
夢中になっていたけれど…ふと、箸が止まった。