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BeLoved.【蜜月記】
第2章 ダイニングキッチン
「すぐ支度しますからっ!」
いま、わたしは過去最高に慌てている。…なぜなら。
夕食の時間はとっくに過ぎているのに…何の準備もできていないから。そのうえダイニングに…
「これから作るの?未結ちゃん」
…お腹を空かせたこの方を待たせているからだ。
──────────☙
ああ、なんでうたた寝なんかしちゃったんだろう。
リビングで15時のニュースを見ながら、洗濯物を畳んでいたところまでは覚えている。あと少しで終わり。そしたら早めに夕食の仕度を済ませちゃおう。そう思ってたのに。
「──ん、未結ちゃん?」
気付いたら辺りは暗くなっていて、わたしはソファに突っ伏して熟睡していて。帰宅した彼…麗さまに肩を揺すられて飛び起きた。そして──今。
「もう一回聞くけど、体調不良とかじゃないんだよね?」
「ち、ちがいます… うたた寝…です」
「ならいいんだけど。…じゃあ、外行っていい?」
「!!」
怒らせた?!一瞬で全身が硬直した。
「す、すみません…」
「なんで謝るの?デートしようよ」
「!!!」
…さらに呼吸まで止められるなんて。
「でも…」
「流星、夕飯いらないんでしょ?じゃあいいんじゃない?」
こちらを見る彼の表情は…普段と変わらないもの。…体から力が抜けていくのがわかる。
「慌てて作って怪我されたら嫌だしね」
「……」
その頃にはわたしはもう、顔まで緩んでいて。
お言葉に甘え、手を止めた。