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BeLoved.【蜜月記】
第10章 流麗荒亡 2
コノヒトナニイッテルノ?!?
見せて?…ナニを?…つまり、俺の、目の前で、しろと??
居心地の良かったはずの腕を音速で抜け出したわたしは、ケロリとした表情の彼と対峙した。
「だって未結おまえ、俺のは見たじゃん」
「!そそれは!そう、です、ケドっ?!」
「俺こんな事おまえにしか言えねーんだよ?」
「〰〰だだだ、だからって!」
「ま、無理強いはしねーけど」
混乱と戸惑いを思いっっきり顕にするわたしを目の当たりにしてか。さすがの彼も引き際(?)を見極めたらしい。
よかった…と、安堵したのも束の間。
「おまえも落ち着いたっぽいし、俺もー上がっていーな?」
「えっ」
まさかの切り返し。
「あ、ちなみにあの風呂場の話、現場ここだから」
「え"っ?!」
「で、幽霊が居たの…、あ〰…その辺」
彼が指差した先は、シャワーを浴びる時背を向ける壁。
いや…わたし、これから頭洗うんですが…。
「じゃ、ごゆっくりー」
「ま、ままま、待っ…」
そんな話聞かされて、独りで居られるわけない!!
湯船の縁に手をかけ立ち上がろうとする彼を、縋りついて引き止めた。そうしたらこの、悪戯が成功した男の子そのものの笑顔で。彼はぬけぬけと言い放ったのだった。
「じゃ、わかるよな」
──────────☙
これはある意味 脅迫 というのじゃないだろうか。
釈然としないけれども、背に腹は変えられない。湯船の中、わたしは再び彼の腕の中、彼に背中を預ける格好で座った。…両脚を広げて。
「真正面から見てーんだけど」
「殺す気ですか…」
彼は彼で釈然としないようだけど。ご要望全てには応えられません。羞恥死します。
百歩(彼的には一万歩くらい?)譲ってもらい、その…ナニはナニでも、お湯の中で致すことを了承してもらった。濃い色の入浴剤を入れていて本当によかった…。
「これじゃ見えねーじゃん」
「…感じ取ってください!」
自分でも何を言っているのかわからない。〰〰ナニはともあれ…もとい、何はともあれ、やるしかない。洗髪云々より、いま独りになったら、自分自身の想像力に殺される!
「〰〰・・・」
変な話、この人とはもっと恥ずかしいことをもっとしているじゃない。何を今更。…と、頭ではわかっているんだけど。
恥ずかしいことを『される』のと、自分で『する』のとでは…
全く違うのだ。