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BeLoved.【蜜月記】
第10章 流麗荒亡 2

コノヒトナニイッテルノ?


───あぁ、聞き間違いか、言い間違いか。

でなきゃいくらあけすけなこの人だって、こんなことをこんなにハッキリ聞いてくるわけ……

「女もオナニーすんの?」

2回言った。──聞き間違いでも言い間違いでもない!
この人、本当に普通に聞いてきてる!!


「…アナタなんて事を聞いてくるんデスカ…」
「え、だって知りてーじゃん。知らねーし」

驚きを通り越し逆に冷静になっていたわたしは、傍から見れば、所謂『ドン引き』しているようだったやもしれない。

しかしそんなものこれっぽっちも構いやしない彼は…あっけらかんとした物言い。
…多分、下心的なものは一切ない、純粋な知的好奇心(?)なんだろうな、これは…。

「どーなの?」
「!」

ほら。その証拠に顔を覗き込んでくる彼の仕種は、素直な子供みたい。きっと嘘も誤魔化しも効かない。それを『彼』に次いで熟知しているわたしは。観念して言い捨てた。

「〰〰する…、んじゃないですかっ?」

無論、人にもよるんだろうけど。
男性だけがする、なんてありえない。現に、わたしだって…

「へー。じゃ、おまえは?」
「な"ッ」

だからどうしてこの人はこう…思ったまんまを口にするの。

「すんの?しねーの?」

そして、戸惑う暇も与えない。…嘘をつく余裕も。

「………た、たまに……、なら、しま……すけど」
「へー。そーなんだ」


〰〰なんなのこれ…。普段通りの飄々とした返しがまた羞恥心を煽ってくる。…これもまた、お仕事をサボった天罰なの??予期せぬ告白をさせられ、お湯以上に熱く火照った頬を押さえたら。
二度目の核弾頭が投下された。


「見せて」
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