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BeLoved.【蜜月記】
第10章 流麗荒亡 2
コノヒトナニイッテ… …いや、わかる。
『使って』そのまんまの意味だ。
以前わたしも彼にしたことがある。自分自身に触れさせ、握らせたわたしの手に、彼は自分の手を重ねて扱き…その…〰ナニ…に耽った。
快楽を貪る彼の表情が、普段の行為の時とはまた違った艶やかさで…ドキドキしたんだっけ。
今はそれがまるっと逆転した状態。…え?ちょっと待ってください…。自分で する より恥ずかしいです、これ…!!
「見えねーし、いーだろ」
「そそそそういう問題じゃ…」
「ほら、こーやって」
「…あ…」
手が上下する。わたしの手を重ねたまま、ゆっくりと。
頑なさを解かれ、柔らかくなり始めた秘部は…それを悦んだ。
「……ぁ…っ」
恥ずかしかったはずなのに。気乗りしなかったはずなのに。
そこがどんどん熱を持ち、解れを通り越し蕩けていくのが…彼の指越しからでも伝わってきた。──『濡れて』きたのも。
「……んっ、…あっ…」
華奢じゃないのに、しなやかで。
骨張っているのに、柔らかくて。
やさしく触れてくれる彼の指は。
ひとりで する 時、いつも反芻していたもの。
『見えないなら感じ取れ』…自縄自縛。自分が放った言葉に、自分で苛まれるなんて。
見えないからこそ、感触がより生々しく伝わってきてしまう。
「──やっ…ぁあ …ん」
あんなに恥ずかしかったのに。気乗りしなかったのに。
誘導していた彼の左手が、いつの間にか消えていたことにも気付かないくらい。わたしは、夢中で。自分の意思で、彼の右手を動かしていた。溢れてくる蜜に滑らせて、密着させて。何度も…何度も。
「はっ… あっ、んんっ、んっ…」
…どうしよう。きもちいい。止まらない。
手だけじゃなく、お湯の温かさも、凭れた背中に伝わる肌のぬくもりも、みんな心地よくて。…愛されて、慣らされて、すっかり快楽に弱くなってしまった心と身体は…溺れた。
「…ココは?いーの?触んなくて」
「ひっ…?!」
囁きと共に走り抜けた、ビリッとした感覚。
曲げられた彼の中指の腹が、秘部の中心、勃ち上がりきった突起に触れたのだ。
「ほら。未結の気持ちいい触り方、していーよ」
「っあ、ゃらあっ、…んんッ…」
指先は突起を意地悪く弾いてくる。…もどかしくて。もっとちゃんと触って欲しくて。気付いたら、彼の中指に自分の中指を重ねていた。