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誘蛾灯
第3章 寄るな危険
 呑気な声を出す愛娘を一頻り叱ってからユミちゃんママは俺に頭を下げる。
 「娘がご迷惑お掛けしてごめんなさい。」
 「いいえ。ユミちゃん良い子にしてましたよ。」
 「あのね!お姉ちゃん達にトイレ教えてあげたの。でね、おトイレにいっといれって言ってね」
 事情を知らないと何が何だか判らない説明を五人で生暖かい目で見守りながら聞く。
 言いたいことを言い終わりどや顔するユミちゃんの頭を撫でてからお別れする事にした。
 手を振りながら去っていく姿が見えなくなると初巳が小声で尋ねてくる。
 「ご主人様って子供好きですか?」
 「嫌いじゃないな。」
 「ご主人様、ロリコン!」
 突飛もない美世子の言葉に含んだジュースが気管に入り噎せかえる。
 「なんでそうなる!」
 「お望みでしたら私産みますけど。」
 「勘弁してくれ。」
 咲子の台詞に僅かながら本気を感じてゾッとする。
 今さらながら「妊娠」は充分ありえるのだ。なにしろ今までコンドームなんて使った事がないのだ。性交中も能力の催淫効果を持続させる為に生挿入は欠かせなかったしその結果中出しというのが基本だった。
 中坊の身で父親になんかなれるわけがない。手遅れになる前に改めよう。今日から使うぞコンドーム。
 「大丈夫ですよ、ご主人様。」
 俺が何に苦悶してるのか察して咲子が微笑む。
 「ご主人様の奴隷にしていただいた日から私も初巳ちゃんも避妊薬飲んでますから。ご主人様にご迷惑がかかることはありません。美世子ちゃんにも後であげるからちゃんと飲むのよ。」
 咲子の言葉に美世子はコクコクと何度も頷く。妊娠に対する恐怖は当然持っていたのだ。気付かなかったのは俺の落ち度だ。今後は気を付けねば。

 それからはバイブで悪戯したり小動物と触れ合えるコーナーでスカートの中が見える様に座らせて盗撮写真を撮ったりと存分に楽しんだ。
 喫茶コーナーで屋外に設えられた丸テーブルを陣取って動物園で撮った人様に見せられない写真の見せ合いっこをしながらこの後の予定を話し合う。まずは食事だ。ご主人様としての見栄もあって少々高い店に連れていっても大丈夫なように10万円程スマホにチャージしてある。焼き肉でもステーキでもどんとこい!と思っていたら美世子と初巳はファミレス、咲子にいたっては定食屋と安上がりな提案をしてくる。意気込んだ俺が馬鹿みたいだ。
 
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