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Secret space
第11章 11

男の言葉が 音を脱ぎ捨て 耳の奥で木霊する。
真っ白に 染め抜かれた脳はまるで 映画の終わったスクリーンのよう。
次から次へと 夢のような物語を映し出していたはずの世界が
今はただ 残酷なまでの白さを 暗闇の中で誇示している。
(・・ッこんなの ひどいじゃない ひどすぎる・・・
だって私はあなたのこと・あなたのことを・・・・・)
胸を潰して内側から咳き立てる 嗚咽を押さえ込むためにも
紗織は両手で顔を覆った。
「・・っ・・・ひぃ・・・く・・・ッ・・」
それでもこみ上げてしゃくりあげる自分の声に、ぐっと歯を食いしばった。
男の手が、紗織の顔を隠すその両手を掴む。
「触らないで!!」
すぐに振りほどこうと、力を込めた両腕は
男の握られた手のひらの中で びくりとも動かなかった。
ぎりぎりと 掴まれた手首の、赤く忌々しい縄の跡が痛んだ。
腕に喰い込むその力で 男が今から行おうとする意図に
紗織は素早く気がついて、ざざっと血の気が引いた。
真っ白に 染め抜かれた脳はまるで 映画の終わったスクリーンのよう。
次から次へと 夢のような物語を映し出していたはずの世界が
今はただ 残酷なまでの白さを 暗闇の中で誇示している。
(・・ッこんなの ひどいじゃない ひどすぎる・・・
だって私はあなたのこと・あなたのことを・・・・・)
胸を潰して内側から咳き立てる 嗚咽を押さえ込むためにも
紗織は両手で顔を覆った。
「・・っ・・・ひぃ・・・く・・・ッ・・」
それでもこみ上げてしゃくりあげる自分の声に、ぐっと歯を食いしばった。
男の手が、紗織の顔を隠すその両手を掴む。
「触らないで!!」
すぐに振りほどこうと、力を込めた両腕は
男の握られた手のひらの中で びくりとも動かなかった。
ぎりぎりと 掴まれた手首の、赤く忌々しい縄の跡が痛んだ。
腕に喰い込むその力で 男が今から行おうとする意図に
紗織は素早く気がついて、ざざっと血の気が引いた。

