この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Secret space
第11章 11

(今さっき、私が あんな目にあったばかりだというのに
それなのに抱こうっていうの!?
しかも違う女(ひと)の代わりに!?!)
目から剥がれ落ちる涙の雫に構わずに
男の顔を見上げて睨めつける。
表情を取り除かれた男の黒い双眸は
暗い洞窟を縫って地底まで 深く穿った暗い穴を覗き込むようだ。
(いや・・・ 怖い・・・ )
湧き上がった怒りよりも恐怖が増して、紗織は男を凝視できずに目を反らす。
その一瞬で、身体が床に押し倒される。
「やだあぁ!!!」
男の腕の中から抜け出そうと、必死の抵抗を試みたが、
紗織より遥かに力の勝っていた精司でさえ
いとも簡単にねじ伏せたこの男に、女の自分が敵うはずもなかった。
『お前になら出来る』
冷たく響いた男の言葉が、ずるずると痕を残して再び脳裏を駆け巡る。
(代わりなんて嫌っ! 絶対に嫌!!
私なんて、何処にも居ないじゃない!!)
嗚咽とも悲鳴とも区別のつかない声を無闇矢鱈に叫びたくなる。
「アッ・・・ぐく・・」
楕円に開こうとした紗織の唇に男の唇が強引に重なり悲鳴を塞ぐ。
目の回るような憎悪を覚えて
紗織は自分の唇に触れた物体に噛み付いた。
それなのに抱こうっていうの!?
しかも違う女(ひと)の代わりに!?!)
目から剥がれ落ちる涙の雫に構わずに
男の顔を見上げて睨めつける。
表情を取り除かれた男の黒い双眸は
暗い洞窟を縫って地底まで 深く穿った暗い穴を覗き込むようだ。
(いや・・・ 怖い・・・ )
湧き上がった怒りよりも恐怖が増して、紗織は男を凝視できずに目を反らす。
その一瞬で、身体が床に押し倒される。
「やだあぁ!!!」
男の腕の中から抜け出そうと、必死の抵抗を試みたが、
紗織より遥かに力の勝っていた精司でさえ
いとも簡単にねじ伏せたこの男に、女の自分が敵うはずもなかった。
『お前になら出来る』
冷たく響いた男の言葉が、ずるずると痕を残して再び脳裏を駆け巡る。
(代わりなんて嫌っ! 絶対に嫌!!
私なんて、何処にも居ないじゃない!!)
嗚咽とも悲鳴とも区別のつかない声を無闇矢鱈に叫びたくなる。
「アッ・・・ぐく・・」
楕円に開こうとした紗織の唇に男の唇が強引に重なり悲鳴を塞ぐ。
目の回るような憎悪を覚えて
紗織は自分の唇に触れた物体に噛み付いた。

