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Secret space
第11章 11

ガリッ
鈍く響く音と、あまりにも生々しい肉を断つ感触に
紗織は恐ろしくなってすぐに口を離した。
深い傷を負わせた筈の男の唇は、紗織の歯牙に全く怯みもせずに、
なおも強く吸い付いてきた。
躊躇して開いた口唇と歯の隙間から 男の舌が割り込んで侵入する。
男の舌と一緒に、ねっとりとした血の味も入り込み、紗織の舌に絡みつく。
咥内中に 錆びた鉄のような味が、ばっと広がる。
その衝撃に舌にも噛み付いてやれと待ち受けていた凶暴な自分が怖気づいた。
これは男の血。 今、自分が刻んだ傷口から流れる男の血
「ん・・・くっ・・・・・・・・ぁ・・・ぅん・・・・・・っ ふ 」
無味な唾液と流れ込む赤い血の味の中で、
紗織の逃げ回る舌を何度も男に絡め取られて吸われた。
舌と舌が ぬたぬたと滑って
鮮烈な血の味を分け合って、自分のものではないように口で溶け合い
くちゅくちゅと粘着質な音を立てる。
男の咥内にもこの凄惨な血の味が広がっているはずだ。
それを一瞬の躊躇も見せず、紗織の唇ごと味わうように口に含む。
「・・・ッ ひ・やっ・・んぐ・・くぅ・・・・・・」
隙あらば顔をそむけ、口付けを止めさせようともがく紗織の顎を、
男がしっかりと手で捕えて濃厚なキスを求めてくる。
血は嫌いだ。 吐き気を催す味も。 むせ返る匂いも。
その無意味に鮮やかな発色の赤でさえ
閉じた瞼の裏へと染みて広がっていくようだ。
鈍く響く音と、あまりにも生々しい肉を断つ感触に
紗織は恐ろしくなってすぐに口を離した。
深い傷を負わせた筈の男の唇は、紗織の歯牙に全く怯みもせずに、
なおも強く吸い付いてきた。
躊躇して開いた口唇と歯の隙間から 男の舌が割り込んで侵入する。
男の舌と一緒に、ねっとりとした血の味も入り込み、紗織の舌に絡みつく。
咥内中に 錆びた鉄のような味が、ばっと広がる。
その衝撃に舌にも噛み付いてやれと待ち受けていた凶暴な自分が怖気づいた。
これは男の血。 今、自分が刻んだ傷口から流れる男の血
「ん・・・くっ・・・・・・・・ぁ・・・ぅん・・・・・・っ ふ 」
無味な唾液と流れ込む赤い血の味の中で、
紗織の逃げ回る舌を何度も男に絡め取られて吸われた。
舌と舌が ぬたぬたと滑って
鮮烈な血の味を分け合って、自分のものではないように口で溶け合い
くちゅくちゅと粘着質な音を立てる。
男の咥内にもこの凄惨な血の味が広がっているはずだ。
それを一瞬の躊躇も見せず、紗織の唇ごと味わうように口に含む。
「・・・ッ ひ・やっ・・んぐ・・くぅ・・・・・・」
隙あらば顔をそむけ、口付けを止めさせようともがく紗織の顎を、
男がしっかりと手で捕えて濃厚なキスを求めてくる。
血は嫌いだ。 吐き気を催す味も。 むせ返る匂いも。
その無意味に鮮やかな発色の赤でさえ
閉じた瞼の裏へと染みて広がっていくようだ。

