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きれいなお城の穢れた話。
第1章
「は…あっ、あぁんっ…」
自分の口から、こんな甘ったるい声が出せるだなんて。17年生きてきて初めて知った。
男性の…あの部分を、女の大事な場所で受け入れる。知識はなかった訳じゃない。ただ、経験はなかった。
「あ…っ、んうぅ…っ」
熱くて、固くて、しなやかな熱を纏う『それ』は、はしたなく濡れそぼる私の中を幾度となく行き来する。
ぴちゃ、ぴちゃ、といやらしい音を響かせて。
「っ…やあぁっ…!」
自分でも触れたことなんてない奥の奥は、容易くこじあけられた。届いてしまった先端は容赦なくそこを突き、愛液と快楽を泉のように湧かせていく。
ほんのついさっきまで処女だったはずの私は、もう『それ』の与える快楽に堕ち…ただただ嬌声を上げ続ける雌と成り下がっていた。
『それ』がこんなに気持ちよくて、蕩けてしまいそうなものだったなんて知らなかったから。
─世の中は何が起きるか分からないものだ─
昔から父さんがよく言っていた。それを私が身を以て証明するとは思わなかったけれど。
難関と言われるお城への奉公が決まったとき、私の運は使い果たしたと思った。
生まれ育った村ではもちろん、街へ出て働くよりも、ずっといい環境とお給金。同世代の子達はみんなお城での職を求めた。
しかし採用されたのは私だけだった。理由なんかわからない。特別秀でた能力があるわけでもない、見た目がいいわけでもない、平々凡々な、私が。
お城に足を踏み入れ、その圧倒的な優美さ…何処と無く漂う冷たさに身を震わせたのが今朝。
そして──今は真夜中。
私は生まれて初めて、男性を受け入れている。
「あっ…ああんっ」
─世の中は何が起きるか分からないものだ─
父さん、貴方の言っていた通りよ。
本当に、何が起きるか分からない。
だって
私を抱いているのは──王子様なのだから。