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きれいなお城の穢れた話。
第1章
王子様は、私と同じ17歳だとお伺いした。けれども一目見たその風貌は、村にいた同世代の男の子達とは全く違うものだった。
すらりと伸びた背筋、絹の様な黒髪、整った顔立ち。何もかもが洗練されていて息を飲んだ。
誰も彼も寄せ付けない、その威圧感。しかし
誰も彼も寄せ付けてしまう、その存在感。
遠くから、本当に遠くからお姿を拝見しただけだった。それでも私は魅入ってしまった。
いくら侍女とはいえ、私は下っぱ中の下っぱ。王子様のお側に寄ることなど、まずありえない。そう思っていた。──だから先刻、使いの方が部屋にやって来たときは心臓が止まるほど驚いたのだ。『王子様がお呼びだ』と。
─────────
「ひああ…っ!」
──そして、今。私は王子様の腕の中。
王子様の分身である『それ』は、受け入れさせる体勢を何度も変えさせながら私を突き上げ続けた。
掴まれる腕や腰に、爪が食い込む。…恐らく、大抵の営みならば有るはずだろう慈しみや、相手を慮る素振りは──全くなかった。ただ、私の体の中。自分にとってより快楽となりうる場所を探しているだけだろうことは、段々わかってきていた。
それでも──私の口からははしたない声が止まらない。王子様で満たされる秘部が悦び蠢き、きゅうきゅうと締め付けるのも。
「──お前、名前は」
「…っ、え……っ?」
犬のように、四つん這いにさせられた時だった。背中に覆い被さってきた王子様は、私の耳元に顔を寄せそう囁かれた。
艶がにじんだ低い声。ぞくりとしたものが走るより早く耳介に噛み付かれ、四肢は跳ねた。
「早く言え。名前は」
「んあっ、…カノ…で、す…、!」
絞り出すような声で答えた直後、傷ついた耳介に舌が這った。ねっとりと、なぶるように。
「カノお前、色情狂の気があるかもな」
「!」
「処女だった癖に馴染み早すぎだろ。淫乱」
あからさまな嘲笑と侮辱。頭を鈍器で殴られたかの様な衝撃だった。恥ずかしさに涙が滲んだが…ここまでの自分の痴態を思い出せば無理もない話だ。
せめてこの嬌声だけは押さえよう。そう思い、貫かれても唇をギュッと噛んで耐えたが──…
「ひっ」
ぱちん、と尻たぶを叩かれた上に「好きなだけ鳴いてろ」と、命じられてしまったのだった。