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はじめてのひと。
第8章 日常
小さい溜息を吐きながら携帯をテーブルに置く。何となくいつもの癖のようにつけているテレビに目を向けると再放送のドラマが流れている。


…ほんの数時間遅れるだけなのに。なんだ?このモヤモヤは?


見るともなしにつけているドラマに意識を向けようとするけれど、余計に自分の中に居座るモヤモヤが気になってしまう。

テーブルに無造作に置いた携帯電話を眺める。

お気に入りのクッションを抱きしめながら、無造作に置いた携帯電話を手に取りさっきのメールを見返してみる。


楽しみにし過ぎてたんだな…私。

直ぐに会えるだろうと思っていたけど、千紘くんにも都合はあるよね…。

それを気持ち良く受け入れられないなんてなぁ…意外と心狭いかも、私。
千紘くんにはこんなところ見られたくないな…

再び携帯電話をテーブルへ戻すと自分の顎も一緒にテーブルへ預け、部屋を見渡す。

ふと見た部屋の真ん中にある壁掛け時計が今の時間を示している。

ー16:10ー

「…ご飯、何にしよう…?」

のろのろと後ろ側にある冷蔵庫へと移動して中を覗き込む。

…野菜使い切らないとなぁ。…何があったかな?

冷蔵庫の冷気がひやりと肌を掠め残暑に気持ちいい。

「今日は炒飯と野菜スープかな。」

献立が決まったところでのんびりと夕食作りに取り掛かった。

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