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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第2章 2 医局の少年
「どうかしたの? 足が痛むの?」

 裸足の慶明に、遠慮がちに尋ねる。

「いや。逆逆。これだけ滑らかな道じゃあ、ますます履物がいらないと思ってさ」

 朝廷を中心にした王の宮殿には、医局と太極府、王、直属の軍隊の寄宿舎、後宮などがある。万が一の時、王のもとへ素早く馳せ参じるために、常に道は舗装されてあった。

「でもそのうち履物を履かされるようになるわよ」
「それが一番窮屈なことだよなあ」

 慶明は南方の民族で、履物を履く習慣がないらしい。暖かい地方のようで衣も薄い。日に焼けた健康的な肌に、素朴で荒い生地が良く似合っている。貧しいから粗末な装いになっているわけではなかった。

「今はいいけど、ここは冷えるからきっと履くようになるわよ。あ、そこよ」

 宿舎が見えてきたので晶鈴は指をさした。ほかの建物と違い、門も装飾はなく大きな箱のようだ。

「晶鈴はどこに住んでる?」
「ああ、わたしは女人用の宿舎が反対側にあるの」
「そうか。随分遠くまで案内させてしまったな」
「いいのいいの。こういうこともわたしには必要なことみたいだから」
「ふーん。そういうものか」
「じゃあ、ここで。またね」
「ああ、体調が悪くなったら俺が薬作ってやるよ」
「あははっ。また勝手に薬草とったりしないようにね」

 踵を返し、晶鈴は来た道を戻った。袖の中の小石をまた手の中に戻し、こねるように撫でまわす。カチャカチャなる石たちの音を聞き、ふと今日の占いの卦を思い出す。

「あら? 友というのは、王子じゃなくて今の慶明なのかしら」

 王子と友達になることよりも、薬師見習いの慶明と友達になるほうが自然なことのような気がする。

「まあ、どちらでもいいわね。やっと年の近い知り合いができたんだもの」

 今度こそ、太極府へ戻ろうと着物の裾をまくり、小走りで道を進んだ。
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