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第6章 翼の独り言

　私は沢山の男たちと暮らしてきました。
　言っては何ですが、私は美人です。知的ではありませんが、痴的ではあります。コケティッシュです。

　coquettishという単語も、意味も、私は知っています。でも、私が時間を共にしてきた男たちは誰も知りません、一人を除いて。

　私は、そんな男たちとばかり過ごしてきました。
　彼らは打算的で、自分の為に私を愛でてくました。私を抱きしめる基準は、いつも自身の都合でしてた。

　そんな状態は、私に安堵感を与えてくれます。
　でも、ストレスはたまるのです。だから、すぐに逃げだします。

　不思議ですね。そうなると、男たちは、私にすがって、ご機嫌をとります。
　馬鹿だな、と思います。その態度の十分の一でも、一緒に住んでいる時に出してくれていたら、私は逃げなかったのに、と。

　冷めた私は、彼らをいつも置き去りにしました。
　より遠くへと逃げました。