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M嬢のいる風景
第6章 翼の独り言
 今、私には気になる男がいます。

 きっとひどい奴です。
 女をモノとしてコレクションするのが趣味と言っています。

 でも、誠実です。正直です。

 私に対して正面から、自分の所有物になれと言い放ってくれました。
 人としては扱わない。奴隷として、道具として扱うそうです。

 私のことを、自分自身のために傍に置きたいと堂々と言ってくれた最初の男です。

 道具は酷使するし、好き勝手に使う。彼はそう言いました。
 手に入れる道具は一生物になるような、逸品しか欲しくない。そんな逸品だから、メンテナンスは怠らない。それが逸品を所有する者の務めだ。そうも言いました。

 私が逸品だなんて、ことはないと私自身は思います。

 でも、彼に言わせれば、女としてではなくて、所有されるモノとしての資質が逸品なのだそうです。
 そう言われると、そうかも知れないと、少し自惚れてしまいます。
 とても、魅惑的な話だと思いました。
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