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M嬢のいる風景
第7章 棄民考
「民衆史の遺産」という本がシリーズ刊行されていて、定期購入していた。
 購読と言えないのは、なかなか、通しで読めるほど、時間に余裕がないからである。
 この時間がないは、読む時間がないということではない。思考と共にゆっくりと読んで行く余裕がないという事である。

 このシリーズのタイトルにある「民衆」は、正確には「棄民」である。
「棄民」は正史の中には触れられない類の人たちのことで、「無かったこと」「見なかったこと」にしたいと、多くの人が思っている類の人たちのことである。
 正確には、「無かったこと」「見なかったこと」にすることで、心が平穏になると、意識下に刷り込まれてしまっている、というべきだろうか。

 棄民を語る時、みな「差別」には目が行くが、「性や恥を生業にする(対価にする)しかなかった」もしくは「性や恥を生業にする(対価にする)のが普通の感覚だった」という視点は抜けがちである。
 これは「常民が、棄民の性や恥をくいものにして来た」という事実を、常民の子孫である多数派の者たちが認めたくないからであろう。
 でも、このシリーズに記載されていてる古今の論文・評論には、ちゃんとそこにまで切り込んでいるものが多くある。その辺りが、私は嬉しい。

 さて、
 現在に目を転じた時に、やはり「棄民」というべき者たちが、少なからず大衆(常民)に混ざって暮らしている。
 今の世の中で、私自身が棄民と考える者は「カテゴリー名」を与えられていない者である。
 大衆の中にありながら、その大衆に馴染めない。同時に、馴染めていない事を他者から認知してもらえない状態にある者である。

(この辺りから、「棄民」の定義が民俗学から乖離してくる)
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