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女子大生綾子の淫らなポテンシャル
第5章 プラトニックなエロ語レッスン
3

次の稽古の前、あの喫茶店での待ち合わせを前回の帰り際に決めていた。
ランチも過ぎた昼下がりで、いつもより空いていた。

タツヤは綾子よりも先にきていたようだ。修正が入った台本に書き込んでいる。
「先輩、早いんですね〜。あ、それ」
「そう、決定稿になったんだ。綾子さんの分も作っておいたから、あとはシミュレーションしてリハーサルの時に実際に操作する機械使ってやってみようか」
「この前のですね。楽しみ〜。でも緊張します」
「僕も。付箋のところを二人で息を合わせて細やかなところも頑張れば、ミドリ先輩も引き立つこと間違いなし!」
「早くみたいなぁ」
「だよね。でも見惚れてしまうとタイミング外すちゃうから、気をつけようね」
「はぁい」

毎日とは言わないまでも、これだけ顔を突き合わせていれば息もあってくる。
裏方としては抜群のコンビネーションだ。
綾子は最初はその他大勢でもいいから舞台に上がる方、少しでもセリフがあるようにそう願っていたけど、いまはこっちの方が楽しかった。
よそよそしかったタツヤもようやく壁を感じ無くなった。
多分、前回、部長とミドリ先輩の淫らな営みを一瞬に覗いてしまった時から。
誰にも話せない秘密を共有しているからだろう。

「えっと、あとは、、、」
「もう、惚けないでください。ちゃんと宿題やってきましたから」
綾子がノートを取り出した。
「偉いなぁ。書き出してるの?」
「だって覚えれないですよ。知らない言葉ばっかりで。
まず、アレは、本当にラテン語由来なんですね。吸うから来てるんですって」
「アレって?」
「今日は言いませんからね」
「なぁんだ。この前はあんなに言ってくれたのに。ドキドキしちゃった」
「知る前と知った後では違うんです!」

それから綾子は真紀から聞いたシャンデリアとキャンドルのことも伝えた。
「それは知らなかったなぁ。さすが綾子さん。勉強になる。自慢できるな。じゃあ、もしかして、アレも調べたの?」
「もう、知ってるならいいじゃないですか」
「答え合わせだよ」
「アレは、ラテン語の尾っぽからきてるんです。細くて先が尖ってて、ペンシルも一緒です」
「ご名答!。細くて先が尖ってるもの、鉛筆とアレ」
「もう〜思い出して、鉛筆、持てなくなっちゃうじゃないですか」
「これ?」
タツヤがテーブルの綾子の鉛筆を持ち上げた。
「もう、返してください!」
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