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真紅の花嫁
第1章 深緑の美術館

「企画係って、どんなことをなさってるんですか?」

「なさってるってほどじゃないけどね。

美術館の展示の内容を決めて、その準備をしたり、パンフレットをまとめたりするのが中心かな。
うちは小さいからさ、コレクションの管理やギャラリートークをすることもある。

まあ、なんでも屋よぉ」

ほほほほ、とわざとらしく笑った。

「矢崎さーん。
ちょっと聞きたいことがあるんですけど」


資料を片手に足早に近づいてきた亮が、綾音に気づき、はっと立ち止まる。

綾音も少年を一目見て、急に頬を赤らめた。



亮は女子大生に顔を向けたまま、軽く会釈をした後で、真波に、

「ちょっと来てくれます。この絵とこの絵の違いがよくわかんないんすよ」

「しょうがないわね。すみません、失礼します」

三人に頭を下げると、亮と一緒に会議室へ向かった。



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