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真紅の花嫁
第10章 蒼い火花
「ねえ、亮くん……
わたしのこと、きらいにならないよね」
「馬鹿だな。
なるわけないだろ」
熱いキスが再開された。
唇をこすり合わせ、ねっとりと舌を絡ませる若いふたりを見ていると、胸が苦しくなる。
「ごほうびが欲しい?」
令嬢は黙って首を縦に振る。
少年が取り出したのは、あざやかな赤色のチョーカーだった。
それをほっそりと長い女の首につける。
「これで綾音はぼくのペットだよ」
「……ペット?」
「そう。可愛いぼくのペット」
気弱な表情の綾音よりも、冷静な口ぶりの高校生の方が年上の感じがした。
ペットという言葉で、女の首を飾っているのは、チョーカーというよりも首輪に見えてくる。
綾音もそう感じたのか、革製の赤ベルトを撫でながら、飼い犬のような眼つきになった。