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真紅の花嫁
第13章 山吹の恍惚


焦らしぬかれた女体は、中途半端な状態にされたまま。ひたすら淫情だけが煽られる。

さっきよりもつらいのは、一度、よからぬ期待をしたせいだ。

「ご、ごめんなさい……」

あやまりの言葉が口をつく。

「……もう許して
   ……お、お願いです
     ……ゆるして、ください……」

最大限の許しを請うても、亮の動きは変わらない。
気が狂いそうだった。

目尻に涙がにじむ。
発情しすぎて泣いたのは、はじめてだ。


(ど、どうして……?)

どうして、この少年はここまで私を虐めるのだろう。

わからなかった。
不条理ともいえる愛虐に、意識が霞んでゆく。


朦朧とした真波の耳に、乾いた笑いが聞こえた。

「はは……今日はね
   ……ほんとは綾音の調教を完成させるつもり、だったんだ」

乱れた息づかい。

「く、うぅ……

   真波さんはそのためのスパイスだったんだけど、
   予定が変わっちゃた」

思いつめたような物言い。


はっとして、閉じていた瞼を開けた。

息のかかる距離に亮の顔があった。
無理に笑おうとしているが、成功していなかった。


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