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真紅の花嫁
第4章 萌黄の令嬢

真波は営業スマイルを浮かべて、

「この絵を気に入ってもらえましたか?」

「うん。悪くないね」

もう一度、絵の方を見て、

「これ、真倉川でしょう?

多賀橋から見た景色にそっくりだ。
でも、建物の感じがだいぶ違うかな」

「ええ。昭和二十五年頃の真倉川の風景です」

真波の説明が、亮はピンとこないようだった。

「昭和二十五年って……」

「一九五〇年だから、約七十年前。

朝山紫郎――本名は門倉《かどくら》志郎《しろう》と言って、その当時まだ町工場《まちこうば》だった武藤工業で、旋盤工として働いていたんですよ」

「ってことは、専門の……プロっていうのかな。画家じゃなかったってこと?」

「そうですね。

まあ、画家といっても、絵だけで生活できる人ばかりじゃないですから、アマチュアとプロを分けるのかは難しいですが、紫郎は学校に通ったり先生に弟子入りをしたりして絵を学んだことはなかったようですね」

「独学だったんだ。
だからかな。構図や色の使い方が独特だよね」

「詳しいのね」

亮に引きずられて、真波もくだけた口調になる。
真波にとっては、めったにないことだった。


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