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真紅の花嫁
第6章 蜜色の警告


「自分が何を言ってるか、わかってる?」

真波の口調はかえって冷たく、かつ高圧的になる。

「姫川さんとは、どういう関係なの?」

「うーん。まあ、恋人かな」

「とても普通の恋人同士とは思えないけど」

亮は肩をすくめただけだった。

「桐原くん、あなた、ご両親は?」

「あれ、言わなかったかな。
 ぼく、どっちの親もいないんだ」


一瞬、言葉を失うが、こんなことで腰が引けてはいけない。

「じゃあ誰と住んでるの?」

「独り暮らし。いけない?」

「……でも、保護者の方はいるんでしょう」

「親戚のおばさんが近くに住んでるけど。
   これって何? 訊問?」

亮は腕を組んで、壁に背をあずけた。
人を小馬鹿にした笑みを浮かべていた。

スタッフたちの前で見せる、人懐っこい弟キャラとはかけ離れた態度だ。


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