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真紅の花嫁
第7章 肌色の動画


玩具は長さが二十センチ以上あった。
直径五センチ近い幹《みき》部は弓なりに反り返り、葉脈を思わせる太い筋がうねうねと這っている。

リアルな男性器というより、それをグロテスクにデフォルメしたものだ。


「あ、あれ……エッチなおもちゃ」

「そう。綾音が買ってきたバイブ」

「やだぁ」

揶揄するような亮の口調に、綾音はいやいやをする。


「だって、亮くんが買って来いって言うから
  ……ああん、恥ずかしかった
  ……ものすごく、恥ずかしかったんだから」

その時のことを思い出したのか、両頬を紅潮させる。
信じがたいが、どうやら本当に彼女が自ら購入してきたものらしい。


(こんな玩具を売っているような店って)

まともな女性なら、店内に入ることすら躊躇するはずだ。
そんなところで、清楚な顔立ちの、見るからに育ちのよさそうな若い娘が、いやらしい器具を購入する。

店員の反応。
周りの客の視線。

どれほどいたたまれない思いをしたことだろう。



自分のことでもないのに、真波まで顔が火照ってくる。

(いくら恋人に言われたからって……
  命じる方《ほう》も方なら、従う方も方だわ)


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