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Q 強制受精で生まれる私
第11章 4.5度目
「浜園さん!? ここを開けてください!! 浜園さん!!」

「いやぁ!! 来ないで!! 今すぐ出ていってっ!!」

 ドンドンと打ち鳴らされる木製のドア。防犯には頼りない材質で出来ている扉でも、今の状況ではこの上なく屈強な砦に思える。例えそれが錯覚だとしても、私をあの男から守ってくれているだけで安心感が違う。それのお陰か、いくらか落ち着きを取り戻しつつあった。

「浜園さん!! 聞こえてますか!! 浜園さんっ!!」

「いやよ!! 絶対開けない!! 二度と…二度とこの身体を汚されてたまるものですか!!」

 全身を使ってドアの奥にいるレイプ犯を拒絶する。あれだけのことをされたんだ。この男なら正当防衛で殺したって文句は言われないだろう。だけど今は自分の身を守ることが先決だ。何があってもこのドアを開けるものか。

「浜園さん!! …はぁ。昨日のことで怒っていらっしゃるのであれば、それは謝ります。だからここを開けて下さい。」

「謝る? 謝るですって!? あんなことしといて謝罪だけするつもり!? 今までそんなこと一度たりともしたことないくせに!!」

 そうだ。この男は私の体だけじゃなく、心も尊厳も何もかも汚して踏みにじった外道なんだ。いつも言葉巧みにごまかして、都合が悪くなるとカラダでねじ伏せる上に悪びれもしない畜生なんだ。今更謝られた所で許せる訳がない。

「浜園さん。貴方このままずっとそこに閉じ籠っているつもりですか?」

「一体誰のせいでこんなことしていると思ってるのよ!? このベタベタする体も!! ズタズタにされた心も!! 全部あんたのせいでしょうがっ!!」

 数日前まで綺麗だったであろう私の身体は、あっという間にこの男に毒されてしまった。白く淀んだ、吐き気を催すエゴの猛毒。それらが今この時も私の身体中を駆け巡り、私をお気に入りのおもちゃの様に支配しようとしているのだ。これ以上汚されたら私はもう…
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