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Q 強制受精で生まれる私
第12章 4.9度目
「何よ…何でよ…何で、私がこんなにも責められなきゃならないの…今回のだって…今までの事だって、全部、全部全部全部あんたのせいでしょうがっ!!」
このままではこの人に飲み込まれてしまう。グチャグチャにされるのだけはどうしても避けたい私は、せめてもの悪足掻きと逆上する。だって私は何も悪くなんかない。悪いのは全部この人なんだ。動けるようになった私は先生の手を振り払い、反撃の狼煙をあげる。
「貴方があんなことしなければ、盗みなんかしなかったし、死にそうになることも無かった!! こんなになるまで私を滅茶苦茶にしたくせに、さも私一人のせいみたいに言わないで!!」
「浜園さんだけに非があるわけではありません。患者の命を脅かしたとあっては、当然私にも非があります。今回の件は私も浜園さん自身もあってはならない、許されざるべきことなんです。」
「私は何も悪くなんかない!! 悪いのは全部好き勝手に弄んだ貴方だけよ!! 私がどれだ苦しんだか知りもしないくせに、責任転嫁も甚だしいわよ!!」
しばし険しい表情で私達は互いに睨み合う。私は積年の恨み辛みの全てぶつけるかの様に、背水の陣の如く先生の目を真っ直ぐに睨み射抜く。
ただでさえ何を考えているか分からないこの人のことだ。本気で怒らせたらどんな目に合うか分からない。だけど私だって理不尽にはもううんざりしているのだ。食ってかかった以上、一歩たりとも退くものか。
…先に折れたのは先生の方だった。大きく鼻で溜め息をついた後、先生はきびすを返して部屋の奥にある小部屋へと姿を消す。あの部屋は確か医療器具と金庫が保管してある部屋だったと思う。何やらカチャカチャと物色してから戻ってくるので、また何かされると思ってとっさに身構える。
先生は私の前で数秒ほど立ち止まり、どこか寂しげな表情をして私に封筒を差し出す。茶色一色の素っ気ない封筒ははち切れんばかりに分厚く、結構な重さがあるように見える。
怪訝に見つめていると先生がさらに一歩、私に封筒を突きつけてくるので、私はそれを手に取る。中には誰しも見覚えがある薄茶色の紙幣が何重にもなって積み重なっている。
このままではこの人に飲み込まれてしまう。グチャグチャにされるのだけはどうしても避けたい私は、せめてもの悪足掻きと逆上する。だって私は何も悪くなんかない。悪いのは全部この人なんだ。動けるようになった私は先生の手を振り払い、反撃の狼煙をあげる。
「貴方があんなことしなければ、盗みなんかしなかったし、死にそうになることも無かった!! こんなになるまで私を滅茶苦茶にしたくせに、さも私一人のせいみたいに言わないで!!」
「浜園さんだけに非があるわけではありません。患者の命を脅かしたとあっては、当然私にも非があります。今回の件は私も浜園さん自身もあってはならない、許されざるべきことなんです。」
「私は何も悪くなんかない!! 悪いのは全部好き勝手に弄んだ貴方だけよ!! 私がどれだ苦しんだか知りもしないくせに、責任転嫁も甚だしいわよ!!」
しばし険しい表情で私達は互いに睨み合う。私は積年の恨み辛みの全てぶつけるかの様に、背水の陣の如く先生の目を真っ直ぐに睨み射抜く。
ただでさえ何を考えているか分からないこの人のことだ。本気で怒らせたらどんな目に合うか分からない。だけど私だって理不尽にはもううんざりしているのだ。食ってかかった以上、一歩たりとも退くものか。
…先に折れたのは先生の方だった。大きく鼻で溜め息をついた後、先生はきびすを返して部屋の奥にある小部屋へと姿を消す。あの部屋は確か医療器具と金庫が保管してある部屋だったと思う。何やらカチャカチャと物色してから戻ってくるので、また何かされると思ってとっさに身構える。
先生は私の前で数秒ほど立ち止まり、どこか寂しげな表情をして私に封筒を差し出す。茶色一色の素っ気ない封筒ははち切れんばかりに分厚く、結構な重さがあるように見える。
怪訝に見つめていると先生がさらに一歩、私に封筒を突きつけてくるので、私はそれを手に取る。中には誰しも見覚えがある薄茶色の紙幣が何重にもなって積み重なっている。