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Q 強制受精で生まれる私
第13章 5.0度目
「…なめてんの? お前。」

「まさか。膣内出しだけは死んでも御免っていう、ただそれだけのことよ。嫌ならこの件は無かったことにさせて頂くわ。丁度これから警察行かなきゃいけない用事があるから、ついでに街の美化のためにも一肌脱ごうかしら。あ、本当に脱いでもいいかもしれないわね。今この場で。この人達にヤられましたってね。」

「お前、そんなことしたら何されるか分かってるんだろうな?」

「見たところ貴方、立派な腕してるものね。ホテルに入れさえすれば、好きなだけサンドバックにできるでしょうね。」

 私達はお互いを睨み付けながら、しばしの間重苦しい時間を過ごす。鋭い眼光で互いを目潰ししている間、残りの二人は何もする気配が感じられない。恐らく私達の触発にどうしていいか分からず、固唾を飲んで見守るしかないのだろう。

 警察沙汰一歩手前の危険な状況なのに、壊れてしまってからというものの、今の私にはどちらに転ぼうと構わないというある種の無敵感に侵食されつつあった。

「…分かった。それでいこう。」

「先輩っ!!」

「いい。俺らはただ精を出したいだけだ。こんな面倒な奴らだと知ってたら最初から願い下げしていたけどな。これ以上騒ぎにしたら困るのは俺らも同じだ。」

「…だそうよ。満額出してくれるし、良かったねマオちゃん。」

 私達からすっかりフェードアウトしていた彼女の方へ振り替えると、ひきつり笑いをしながら「そうですね。」と上擦る声で返事をする。私と違ってこの娘はこの状況下で肝を潰すことができる正常な人間らしい。

 そんなに臆病ならこんなことしてないで、真っ当な仕事をして稼げばいいのに。この覚悟の無さが若さというやつなのだろうかとオバサンっぽく呆れてしまう。

 話がついた私達はお互いピリピリした空気のまま、マオちゃんが予め決めてくれていたホテルへと向かう。私もこのクズ男達もこの辺の人じゃないため、地理に明るいマオちゃんについていくことに異論は無かった。

 変な所に連れていって火に油を注なきゃいいけど…等と思っていた矢先に私達は古い外観のラブホテルの前で立ち止まる。
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