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白昼夢、1
第1章 居酒屋にて−2

白昼夢、2
1、居酒屋にて−2
「そうでもないのよ。スカートでも染みが付かないか心配でさ、ナプキンだと蒸れるしね」
思ったより優香里の顔が近かったので、紀美子は顔を引き攣らせて、優香里を見返した。
「あんたは背はそんなに高くないけど、可愛いらしいタイプよね。お腹も少し出てきてるけど胸が大きいからポチャな感じで男受けもいい。泣きホクロが色っぽくて憎たらしいのよね。
そんな妄想で満足しなくても積極的になればいくらでも遊べるんじゃないの?」
涼しい目を向けて優香里が言う。
「お腹の話は言わないでよね。なんかその気になれないのよね、若い頃の飲み会では周りは男が寄って来てわからない様に胸を触ってきたり、ひつこい奴がいたりイヤだったのよ」
笑いながら優香里が、
「でもさ、最近はそれも嬉しいんじゃないの」
嫌そうな顔をして紀美子は笑う。
「あー、そういえばそんな発展する出会いも無いな」
紀美子は遠い所を見るようにため息混じりに呟いて、優香里の目を見て笑った。
「なんか語りたくなったわ聞いてくれるかな?
私は男の匂いが気になる方なの。嫌なニオイを嗅がされていい事はほとんどないけど、
でも最近はキーンとクサイ臭いが来て嫌だなって思う後に、ざわざわとお腹の奥が疼くのよ。
これが気持ち良くて堪らないの。
誰にもわからない様に耐えるんだけどそれも気持ちいいの。
たぶん縄で縛られるってこんな感じじゃ無いかしら?
気持ちいいのに我慢するってなんかこうわからないかな?」
優香里はまた身体を乗り出して頷いている。
「男のフェロモンって臭い中にあるのかな?
頭の中の奥が気持ちいい時とフワフワしてしまう時と2通りあるの。
私って変態なのかな、そんな事を思い出しながらいつも通り会社に向かう通勤電車の中に乗ってたのよね。
それでこの前さア、
そんな私でも横に知らない人が座るのは嫌で大抵は立っている事が多いの。その日も立っていたわ。そんな時駅に電車が近づいたのか座席に座っていた男の人が立ち上がったのよね。
その人は建設現場に働きに向かうような作業ズボンに迷彩柄の肌にぴったりと引っ付くシャツを着ている人で、筋肉が浮き上がってカッコ良かったわ。
紀美子に気を使う様に立ち、窓方に向き直り
テニスラケットが入る様な大きなカバンが電車の釣り棚に上げてあって、両手を伸ばして取ろうとしているの。

