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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第4章 フェガリ
 全て話し終えると、オネストは苦笑した。昨日は鉄仮面のような顔をしていたが、この短時間で、彼の人間らしい表情をいくつも見ることができた。
「貴女も大変でしたね。話してくださって、ありがとうございます。このことは誰にも言いませんので、ご安心ください」
「ありがとう」
「いえ、こちらこそ。サージュにはこちらから言っておきますので、カミリア様もしばらくお休みください。では、失礼致します」
 オネストは恭しく一礼すると、部屋を出た。

 この日、カミリアはルナに頼んで自室で昼食を食べた。広い食堂でひとりで食事をするのは味気ない。こんな時くらい、落ち着ける自室で食べたかった。
 食事が終わると少しだけ気持ちが落ち着いてきて、2時過ぎまで読書をして過ごした。

 2時半を回ると、カミリアはラウルの部屋を訪ねる。ラウルはベッドに腰掛け、オネストと話をしていた。
「いらっしゃい、カミリア。オネストから話を聞いたよ。苦労をかけたね」
「苦労なんて言うほどではないわ」
「頼もしいね。オネスト、カミリアとふたりで話したいから、退室してもらっていいかな?」
「……かしこまりました。カミリア様、ラウル様に無理をさせないようにしてください。いいですね?」
 オネストは念を押すと、渋々部屋を出ていった。

「オネストは僕が小さい頃からいるから、過保護になってるんだ」
「オネストって何歳なの? 私達より10歳くらいしか変わらないように見えるけど……」
「35かそこらじゃないかな。僕が子供の頃、自害をしようとしているオネストを見つけて家に連れて帰ったんだ」
 とんでもないことを平然と言うラウルに、カミリアの思考が止まる。オネストは10歳前後歳下のラウルに声をかけられ、自殺を止めたことになる。絶望しきって死のうとしている時に子供に声をかけられ、簡単に自殺を止めるとは思えない。いったいどんな言葉をかけたのだろう?
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