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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第5章 5章 陰謀渦巻く舞踏会
 催淫剤のせいとはいえ、こんな男に胸を乱暴に揉みしだかれ、感じてしまう浅ましい身体が情けない。はしたない声を上げる喉を潰し、ヴァギナから愛液をとぷりと零してドロワーズを汚してしまう下半身を切り落としたいとさえ思った。
 アストゥートに乱され、穢されるくらいなら、死んだほうがマシだ」
「や、んんっ……! はぁ、こ、殺して……。こんなの、嫌……」
「俺に犯されるのがそんなに嫌か。安心しろ、すぐにラウルを忘れるくらい気持ちよくなれる」
 アストゥートはドレスをたくし上げ、カミリアの片足を持ち上げた。1枚の布越しとはいえ、大事なトコロを男の前に曝け出し、死にたくなる。
 それなのに、ヴァギナははやく触れて欲しくて、締めたり緩めたりを繰り返している。心と身体の矛盾に、気が狂いそうになる。

「随分と物騒なものを持ってるな。ラウル同様、用心深い。だが、こんなもの、なんの役にも立たない」
 アストゥートはレッグホルスターのナイフを抜き取ると、テーブルの向こう側へ投げ捨てた。使えないのは分かっていたとはいえ、唯一の反撃手段を奪われ、絶望する。

「ドロワーズが濡れてるじゃないか」
「ひっ……!」
 ドロワーズ越しに筋を撫でられ、吐き気がする。それに反してもっと触ってほしいと言わんばかりに腰が揺れる。イヤらしいと笑うアストゥートの声に、耳を塞ぎたくなる。
(もう嫌……。助けて、ラウル……)
 心の中で、本来守らなければならない人の名前を呼ぶ。彼の優しい笑顔が脳裏に過ぎり、胸が苦しくなった。

 何の前触れも無しに、ドアが乱雑に叩かれる音がする。アストゥートはカミリアの足を掴んだまま、ドアへ目をやる。カミリアも祈りながらドアを見た。
「ソニア、そこにいるんだろう!?」
 それは紛れもなく、ラウルの声だった。安堵と歓喜で胸が打ち震え、悔し涙が嬉し涙に変わる。
「ラウル! 助けっ……んんっ!?」
 助けを求めるも、アストゥートに口を塞がれてしまう。ラウルの声で平静を取り戻したカミリアは、アストゥートを見上げた。ドアを何度も叩く音に、彼は焦りながら部屋の中を見回している。カミリアと目が合うと、彼は残忍な笑みを浮かべた。
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