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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第6章 6章 光と影
 そんな中、ソニアを忌々しげに見つめるシャムスの女騎士がいた。それがハーディだ。彼女の話によれば、ソニアというのは偽名で、本名はカミリア・ケリー。シャムスの副団長である彼女が、何故令嬢のフリをしているのか、ラウルがシャムスの騎士団長に昇り詰めたのか、謎ではあったが、そんなことはどうでもいい。

 重要なのは、ハーディもカミリアを憎んでいるということ。これは最高の駒になると、リュゼは思った。だから父親に晩餐会でラウルを招き、シャムスの騎士を警護につけるように懇願した。父はラウル達が晩餐会に来るのはすでに決まっていたと教えてくれた。そして、シャムスの騎士の警護も。
 それを聞いた時、リュゼは神が味方をしているように思えた。嘘つきのカミリアを消し、ラウルの隣に立つために、力を貸してくれたと。

 ハーディから、カミリアは酒に弱いことと泳げないことを聞き、この作戦を立てたのだ。カミリアの料理は水に微量の酒を入れ、酔ったところで外に連れていき、穴に落とす。
 ハーディにはあの穴に入れておけばカミリアが自力で出ることはできない。晩餐会が終わった頃に引き上げ、泥まみれのカミリアを食堂に連れていけば、彼女はラウルのそばにいられなくなると吹き込んだ。
 あの仕掛けも、カミリアを溺死させるつもりでいることも、ハーディは知らない。ネタバラシをしたら、彼女はどんな反応をするだろう? そう考えるだけで心が踊る。

「リュゼ様、ハーディです」
 ノックと共に、ハーディの声が聞こえた。リュゼは悪魔の様な笑みを一瞬浮かべると、鈴のような声でハーディを入室させた。
「言われたとおり、カミリアは穴に落として、フックにランタンを下げておきました」
「お疲れ様。晩餐会が終わる頃に、彼女の死体を見つけてね」
 歌うように言うリュゼに、ハーディは目を見開く。
「今、なんと?」
「だーかーらー、晩餐会が終わる頃、外の見回りをして、あの子の死体の発見者になれって言ったの」
 分かりやすく言い直すと、ハーディの顔が見る見る青ざめていく。それが面白くて、リュゼは笑い声を上げる。声を上げて笑ったら教育係に怒られてしまうが、彼女を咎める者はここにはいない。
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