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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第2章 騎士団長命令
「行こうか、カミリア」
 ラウルはカミリアに笑いかけると、医務室へ向かう。今すぐにでも降りたいところだが、無理やり降りても立つことすら出来ずにハーディを心配させてしまうから、大人しく運ばれる。
「暴れられると思った。大人しくしてくれて、ありがとう」
「これ以上、皆に無様な姿を見せるわけにはいきませんから」
「ということは、お姫様抱っこは気に入ってもらえたのかな?」
「違います」
 即答すると、ラウルはクスクス笑う。柔らかで上品な笑みに、思わず見惚れてしまう。男性にしては長い睫毛に、澄んだ青空のような瞳。高く通った鼻梁に薄い唇が、中性的な印象を与える。そよ風に揺れるミルクティー色の髪は、思わず触れたくなるほどふんわりしている。

 見惚れていると、ふいに目が合う。ラウルは優しく微笑み、カミリアの顔を覗き込む。
「ん? じーっと見てきてどうしたの?」
「いえ、なんでもありません」
 顔を逸らすと、頭上から柔らかな笑い声が聞こえて来た。我に返り、自分の男性への耐性の無さに情けなくなる。
(男なんかにときめくなんて、何考えてるの私ったら! 男なんて皆、女を見下しているんだから)
 自分に言い聞かせるも、自分より高い体温と、ほんのり甘い香りに異性だと意識してしまう。なんとなく気まずくて、医務室に着くまで無言でいた。

 医務室に入ると、救護組の女性騎士がふたりいた。だがお姫様抱っこされているカミリアを見た途端、意味深な笑みを浮かべて出ていってしまった。
「何故出ていくんだ……」
「邪魔しちゃ悪いと思ったんでしょ」
 ラウルはサラリと言うと、カミリアを椅子に座らせた。壁際に並んだ3つの薬品棚を見て数秒固まり、振り返る。

「カミリア、包帯の場所分かる?」
「包帯とガーゼは左の棚の上から2番目。捻挫に効く薬は、真ん中の棚の上から3番目の引き出しにあるはずです」
 ラウルはカミリアの言ったとおりに棚を開けていく。どうやら無事見つけたらしく、それらを抱えて戻ってきた。
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