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第1章 え？心の臓が痛いでござるる…からのココは何処？

母が死んで数年経って。


思春期に入ったばかりのわたしが小学校から帰ってきたら、ダメオヤジが昼間っからAVを見ていた。


「お、お前！！いつ帰ってきたんだよ！！」


わたしを待っていたのは、

温かい「おかえり」ではなく、焦ったダメオヤジの声。


日本酒やビールの空瓶が何本も転がっている。
夜勤明けか。


イヤぁ♡いいのぅ♡もっともっとおち○んち○欲しいのぅ！！ア…ア…イク…イクぅううううう！！！！！



絶頂に達する喘ぎ声と、画面いっぱいに犯されて腰を打ち付けられても笑顔でよがる女性のアップが見える。



よりによって、無修正。
そそり立つグロテスクな男性器もラフレシアみたいな女性器も丸見えだ。


男は筋肉隆々で、女は細い。
蹂躙だ。
これは暴力だ。

だけど、悦んでる。



「お前も、興味ある年頃になったんだな！！おっぱいも大きくなってきたし！！」

オヤジは、焦りながら自分を正当化するようにうすらでかい図体でテレビ画面を隠しながら言った。



育ちが悪い父は悪意もないただの馬鹿だ。
小学生並の感覚なのだ。

いや、小学生の方がまだマシだ。

要するに馬鹿なのだ。

それからわたしは性をタブーと捉え
女であることを恥ずかしく感じ
自分の身体に興味を覚え始めた自分を恥じ、


バーチャルの中でだけ性を赦せるようになり
男性が怖くなった――